不動産売却時の節税にはふるさと納税が使えます!

不動産売却時の節税にはふるさと納税が使えます!

不動産売却で得た利益のことを、「譲渡所得」といいます。
この譲渡所得には、譲渡所得税、そして住民税がかかります。

税金の支払いは、できる限り抑えたいもの。
実は、譲渡所得税は控除や特例の利用、さらにはふるさと納税を利用して減額できます。

今回は、その中でも特にふるさと納税に注目して、利用する時の上限の調べ方や、特例との併用といった注意点を解説します。
この記事を参考に、ふるさと納税を活用してみてはいかがでしょうか。

□不動産売却で得た利益には譲渡所得税と住民税が発生します

譲渡所得税と住民税の額を知るには、まず譲渡所得について知る必要があります。
譲渡所得は、不動産の売却代金から取得費と譲渡費用を引き、そこからさらに控除される金額を引いた額になります。

取得費は、売却する不動産を購入した時にかかった購入代金、諸経費の合計金額です。
また、譲渡費用は不動産売却にかかった諸費用、控除金額は、減税措置が受けられる場合に引ける金額です。

譲渡所得額がわかったら、その額をもとに譲渡所得税と住民税を計算しましょう。
かかる税率は、売却する不動産の所有期間によって異なります。

所有期間が5年以内の不動産の場合は、譲渡所得税が30.63%、住民税が9%で、合計39.63%の税金がかかります。
所有期間が5年を超える不動産の場合は、譲渡所得税が15.315%、住民税が5%で、合計20.315%の税金がかかります。

さらに、所有期間が10年を超える不動産の場合は、譲渡所得が6000万円を境に税率が変わります。
譲渡所得が6000万円以下の部分は譲渡所得税が10.21%、住民税が4%で、合計14.21%、譲渡所得が6000万円を超える部分は譲渡所得税が15.315%、住民税が5%で、合計20.315%の税金がかかります。

□ふるさと納税の仕組みと不動産売却時の節税におすすめな理由

まず、ふるさと納税の仕組みについて紹介します。
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄付をした場合に、2000円を超えた金額について所得税や住民税の負担を軽減できる、という仕組みです。

ただし、全額の控除が可能なわけではありません。
控除の上限については後ほど詳しく解説します。

なぜ、このふるさと納税が不動産売却の節税におすすめだといわれるのでしょうか。
それは、ふるさと納税の上限額が所得税や住民税の納税額が多い人ほど高くなるからです。
そのため、不動産の売却によって納税額が上がったタイミングでふるさと納税を利用すると、節税しながら、例年よりお得に返礼品を受け取れる、というわけです。

□ふるさと納税には上限が!その調べ方は?

先ほど、ふるさと納税で節税はできますが、所得税や住民税の全額を控除することはできない、ということを紹介しました。
ここでは、その上限の調べ方について解説します。

*源泉徴収票の「所得控除後の金額」を確認する

まずは、収入から各種控除を引いた、「所得控除後の金額」を確認しましょう。
ふるさと納税の上限額は、この金額をもとにして決められています。
前年の源泉徴収票や住民税通知書で確認できます。

*所得をもとに住民税所得割額を計算する

給与所得と不動産の売却による譲渡所得は、課税方式が異なります。
給与所得は総合課税のため、先ほど求めた所得控除後の金額に10%の税率をかければ求められます。

一方で譲渡所得は、分離課税です。
そのため、譲渡所得税は先ほど紹介した通り、不動産の所有期間で異なります。

総合課税とは、他の所得と合算して税額を計算する方法です。
給与所得や事業所得、利子所得は総合課税に分類されます。
分離課税とは、他の所得とは分けて税額を計算する方法です。
今回取り上げている不動産売却による譲渡所得はもちろん、山林所得も分離課税になります。

それぞれの住民税所得割額が求められたら、その額を合計してください。

*住民税所得割額と所得税率からふるさと納税の上限額を求める

所得税率は、給与所得をもとに求めます。
給与所得が195万円以下であれば5%、195万円を超えて330万円以下であれば10%というように、所得額によって税率が変わります。

そして、ふるさと納税の上限額は以下のような計算式で求められます。

控除上限額=住民税所得割額の合計×20%÷(90%-所得税率×1.021)+2000円

不動産の売却による譲渡所得によって、住民税所得割額の合計額が変わります。
結果として、譲渡所得額が大きいと、その分控除上限額が上がるのです。

例えば、年収600万円で譲渡所得が800万円だとすると、譲渡所得がない場合と比べて控除上限額が約12万円多くなります。
年収1200万円で譲渡所得が800万円だとすると、譲渡所得がない場合と比べて控除上限額が約14万円多くなります。

□ふるさと納税とマイホーム特例は併用できるの?

実は、譲渡所得税を節税するためには、使える特例や控除がいくつかあります。
その中でも代表的なものが、マイホーム特例です。

注意が必要なのが、このマイホーム特例とふるさと納税は併用できない、ということです。
そのため、それぞれを利用した場合の控除額を計算し、よりお得になる方を選びましょう。

土地の売却の場合は、マイホーム特例を利用した方が、控除額が大きくなる可能性があります。
また、ふるさと納税を選べば住宅ローン控除との併用ができます。

他にも、投資や相続目的で保有していた不動産の売却ではマイホーム特例が利用できないので、ふるさと納税を活用することになります。
ケースバイケースで使い分けましょう。

□ふるさと納税を利用して節税する時の注意点は?

*控除上限額を把握する

先ほど紹介したように、ふるさと納税による控除上限額は、譲渡所得の額で変わります。
ふるさと納税を最大限活かすにはご自身が利用できる控除の上限額を知ることが最も重要です。

控除額を超えた寄付は、控除の対象になりません。
そのため、多額の寄付をしたらその分多額の控除が受けられる、ということではないのです。
また、家族構成によっても上限額に影響が出ます。

まずは控除上限額をしっかり計算で求め、その控除上限額の範囲内でのふるさと納税を行いましょう。
そうすることで、ふるさと納税を上手に活用できます。

*税金の申告を正確に行う

ふるさと納税の控除を活用するには、確定申告が必要です。
確定申告は、ふるさと納税を利用した年の翌年に必要になります。
確定申告を行うことで、寄付金額のうち控除額の範囲が所得税や住民税から控除されます。

そのため、ふるさと納税の控除申告に必要な書類をしっかりと保管しておくようにしましょう。
特に、自治体から発行される寄付金受領証明書は、確定申告に必要です。
また、税法の変更は頻繁に行われるため、最新の税制や申告方法を確認しましょう。

□まとめ

今回は、ふるさと納税を活用して不動産売却による譲渡所得にかかる譲渡所得税を節税する方法を紹介しました。
ふるさと納税を利用する時には、譲渡所得を正しく求めます。
その後、給与所得や利子所得などと合わせて計算し、ふるさと納税の控除上限額を求めます。

譲渡所得税を抑えるために、まずはふるさと納税での控除額とマイホーム特例での控除額を比較してみるところから始めましょう。

また、ふるさと納税の利用にはいくつかの注意点があります。
控除上限額を超えた寄付は控除できないこと、マイホーム特例との併用ができないこと、正確な申告をしないと控除が受けられないことを覚えておきましょう。

ふるさと納税とマイホーム特例、どちらがお得なのか知りたい、という方は、ぜひ一度当社にご相談ください。
松江市周辺で不動産売買を専門に行う当社が、全力でサポートいたします。

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